重くて開閉が大変な納骨室の扉を、現地で開閉しやすく加工。富山市小見の小見集落墓地にて

富山市を中心にお仕事をさせていただいております、金山石材の金山です。富山市小見の小見集落墓地にて、納骨室の扉を現地加工させていただきましたのでご紹介いたします。

 

【富山市小見 小見集落墓地　納骨扉の加工】

 

知人からのご紹介で、富山市小見の集落墓地にお墓をお持ちの方から、「納骨室の扉が重くて開けにくいから、何とかしてほしい」とご相談をいただきました。早速現地へお墓の確認に向かいます。

 

現地でお客様にお会いして、詳しくお話を伺いました。間知石の石積みの納骨室の上に和型のお墓があり、昔ながらの富山型のとても立派なお墓です。

 

お客様がおっしゃっていた納骨室の扉です。とても厚みがあります。先日納骨をされた際に、重くてなかなか開けられず、とても大変だったそうです。

この納骨室の扉は、数十年前にお墓が建てられた時作られたもので、今のお墓に取り付ける扉に比べると倍以上の厚みがありました。現代のように大きな機械で加工したりすることもできないので、裏面は手加工の割肌のまま、ゴツゴツしています。石そのものの重量も相当なものです。構造を確認すると、扉の下部に大きな玉が入っていて、それがグルグル回ることで扉が開閉できるようになっていましたが、それも傷んでしまっていて、石の扉そのものも重量があるために開けにくくなっているようでした。

通常こうした場合は、部分的に取り換えることで解決します。方法としては、扉２枚・扉を抑える上下左右の石を取り替える方法、または、石積み部分を作り替える方法などです。ただ、将来的にも長く安心していただけるようになる一方で、こうした工事はかなり大がかりな工事になり、工期も費用もかかります。お客様にもご説明すると、「ご先祖様が建ててくれてこれまで守ってきたものなので、自分の代で取り換えたりせず、できるだけこの状態で残したい」とご希望でした。そこで今回は、現地で扉を削って軽くすることで下部への負担も軽減し、扉を開けやすくすることをご提案しました。

 

工事開始です。扉部分に使われている石は、富山で昔使われていた常願寺の石です。常願寺川で採れた石で、比較的加工はしやすい石でした。

 

かなり厚みがある石なので、何層かに分けて少しずつ削っていきます。

 

切り目を入れてはつり、また新たな切り目を入れて・・・という作業を繰り返して、どんどん扉を薄くしていきます。

 

左側の扉の加工が終わりました。まだ加工前の右側と比べると、半分くらいの厚みになっています。このあと右側の加工も進めて、完了したらきれいにお掃除をして完成です。

 

工事が完了しました！

 

両方の扉を半分くらいの厚みまで削ったことで軽くなり、ずいぶん楽に開閉できるようになりました。ゴツゴツしていた表面も平らできれいになったので、引っかかったりする心配もありません。納骨室内はお掃除して、底にはきれいな砂を敷いて仕上げました。

 

納骨室の入り口付近にびっしり生えていた苔も、簡単にですが取り除いてきれいにしました。加工作業の際にはお客様も見に来てくださっていて、「がんばっとるね～！」と声をかけてくださいました。差し入れもいただき、ありがとうございました。工事後は、「かなり軽くなって助かりました」と喜んでいただけて、「これで自分も安心して行けるね～」「いえいえ、まだまだですよ！」と、嬉しそうなお客様とのお話も思い出に残りました。

今回は、お客様のご希望を受けて、現地で納骨室の扉石を加工するお仕事でした。お墓の状態等によっては工期や費用がかかっても新しく作って取り換えた方がよい場合もありますが、今回は「ご先祖様が建ててくれたお墓をそのまま残したい」という強いご希望があったので、構造や状態等をよく確認して、そのご意向に沿う形で現地加工を行い、喜んでいただくことができました。他の石屋さんならあまりされないような工事だったかもしれませんが、当社はどんな工事内容でも、お客様のご希望があればできる限り頑張って叶えたいと思っています。小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談いただければ幸いです。