富山市朝菜町の地域墓地にて、現場での追加文字彫刻を行いました

富山市を中心にお仕事をさせていただいております、金山石材店の金山です。富山市朝菜町の地域墓地にて、現場での追加文字彫刻のご依頼をいただきました。なかなか見ることのできない、現地での彫刻作業の様子をご紹介いたします。

 

富山市朝菜町 朝菜町集落墓地 追加彫刻(現場彫り)

 

今回ご依頼をいただいたのは、朝菜町にお墓をお持ちのお客様です。お墓を建てた石屋さんに相談されたところ、その石屋さんが廃業されていて、当店をご紹介くださいました。以前から懇意にさせていただいていた石屋さんでした。

 

普段は工場へ持ち帰って文字彫刻をすることがほとんどですが、今回は現地で彫刻を行うことにしましたので、トラックに道具を積んで伺いました。というのも・・・

 

こちらが追加の彫刻をする箇所です。カロートの側面にある建立年月と建立者の方のお名前部分で、取り外して工場へ持ち帰るわけにもいかないため、現地で行うことにしました。建立年月の隣にご主人様のお名前があり、その隣に奥様のお名前を新たに追加してほしいとのご依頼で、お客様には大体この辺りになることを口頭でご説明してご了承いただきました。赤い線で印をつけて高さなどバランスを見て場所決めをしました。印の場所にお名前の彫刻をします。

 

文字彫刻は、「サンドブラスト」という方法で行います。ゴムシートを貼り付けてシートをくり抜き、くり抜いた部分を削って彫刻する方法です。そのため、まずはシートを貼るための準備をしています。現場では石の表面が荒れていることも多いので、整えてから専用ののりで貼り付けます。

 

ゴムシートを貼り付けたところです。シートに書いてあるお名前部分をこれからカットします。

 

カッティングして、現場彫刻の準備完了です。このあと、ゴムシート以外の場所は段ボールなどで養生しておきます。

 

現場彫りに必要な機械を準備して、いよいよ彫刻開始です。「サンドブラスト」は、石の表面に細かい砂(サンド)を高圧で吹き付けることで石を削って彫刻していく方法です。彫刻をするカロート側面に設置されているのが字彫りの機械で、手前の青いタンクに砂が入っています。左奥にあるのが集塵機です。

 

字彫りの機械はゴムバンドでしっかり石に密着させて、ホコリや砂が漏れないようにします。手を差し込んで、砂を吹き付けるノズルを動かして彫刻します。

 

機械の中はこの窓から見えるようになっています。なかなか見る機会がないと思いますが、現地での彫刻はこのようにして行っています。

 

彫刻を終えました。シートをくり抜いた箇所がきれいに彫刻できています。養生の段ボールもはがして、お名前部分に色を入れたら完成です。

 

完成した彫刻部分です。ご健在の方のお名前なので、ご希望で赤い色を入れて仕上げました。

現場彫刻は、できる限りお天気の良い日に行うのが基本です。晴れ間を見て作業することになるので、お客様にいつ作業に入るということを確実にお伝えするのは難しいのですが、幸い晴れ間を見てサッと作業することができたので、完了のご報告をすると「もう終わったん?早いね~」と喜んでいただけました。お墓を解体する必要もないため、作業も素早くコストも抑えて彫刻をすることができました。

弊社では、工場で大きな機械で彫刻する方がきれいに仕上がるため、文字彫刻の際は基本的には工場へ持ち帰って行っています。ただ、今回のような取り外しに費用がかかってしまう場合など、工場での彫刻が難しい場合には、追加で費用はかかりますが現地での彫刻も承っています。ご事情やご希望に応じて、臨機応変にご対応できるよう今後も努めて参ります。

追加彫刻・名前彫刻についてはこちら>>「お名前文字・戒名彫刻」