地震でずれてしまったお墓のズレ直し、耐震施工での組み直し工事。富山市寺院墓地

富山市を中心にお仕事をさせていただいております、金山石材店の金山です。富山市のお寺様墓地にて、地震でずれてしまったお墓のズレ直し、耐震施工での組み直し工事をさせていただきました。

 

富山市太田口通り お寺様境内  地震でお墓ズレの為組直し

 

いつもお世話になっているお寺様からご連絡をいただきました。1月の能登半島地震の際、お墓が心配で見に来られたお施主様がお墓がずれていることに気付いてお寺様にお話しされ、お寺様から弊社へご連絡がありました。

 

急いで現地へ確認に伺いました。富山市内の中心地にあるお寺様で、周りにもたくさんお墓が建っています。正面から見ると、棹石や上台がずれて、手前の花立部分もズレて隙間が空いていました。

 

後方から見るとこのように大きくズレていました。今にも落ちてしまいそうな状況で、倒れてしまうと後ろのお墓も傷つけてしまうかもしれませんので、すぐにご連絡くださって本当に良かったと思いました。

今回の能登半島地震では、たくさんのお墓がズレたり倒れたりしています。富山市内でも液状化現象が起きている地域もあり、お墓の状況もその地域の地盤の状態によって、棹石が少しずれただけだったり、回転してしまったり、崩れてしまったりと様々のようです。

 

工事の様子です。余震もありましたので、翌日には工事に入りました。

 

まずは一番危険だった棹石を取り外します。今回は下まで石を取り外し、水平を取って据え直します。

 

芝台部分まで取り外しました。その下の納骨室兼お墓の土台にあたる部分は栃木県産の大谷石で作られていました。この部分も、今後の余震などでズレて開いてくる可能性があったので、角の部分は印のL字金具でしっかり留めました。また、棚板が落ちてしまっていたので、右下に脚を急遽設置して落ちないようにしています。

 

納骨室の補強等が終わったら、お墓本体を据え直していきます。取り外したお墓の石に、穴を開けています。今後石がずれないようにするため、ここにアンカーボルトとL字金具を設置します。

 

加工した一番下の四ツ石を、大谷石の納骨室の上に設置しました。水平を取りながらモルタルで設置しています。内側の角にL字金具を取り付けて固定、さらにその上に台石を据えていきます。

 

耐震ボンドをたっぷり使い、しっかり耐震施工で設置し直していきます。

 

順に台石を設置して、L字金具も取り付けていきます。水平を確認しながら進めます。

 

棹石を設置するところです。ここでも耐震ボンドを使って設置します。石と石の隙間にはシリコンの目地を打ちます。

 

据え直し工事完了です。

接着面がきれいでないとボンドの接着も悪くなってしまいますので、汚れの強いところはきれいにしてから再設置させていただきました。汚れも取れて、きれいになっています。

 

後方です。しっかり据え直して耐震施工も行い、安心してお参りいただけるお墓になりました。目地もきれいに入っています。

 

すぐにご対応させていただき、安心してお墓を守っていただけるようになって、お客様にはホッとしていただけたご様子でした。迅速にご連絡くださったこともあり、不幸中の幸いで石が落下してしまうことはなく、組み直せば何とか対応できる状態だったとはいえ、大きくズレていたのでとても心配されたことと思います。お参りされていてお気付きのことなどありましたら、またご連絡くださいませ。

今回は、地震でずれてしまったお墓の据え直し工事でした。このたびの地震で被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げます。弊社がよくお仕事をさせていただく富山霊園は被害がほとんどありませんでしたが、場所によっては富山県内でもお墓にたくさんの被害が出ているようです。弊社でお力になれることでしたら、微力ですがお手伝いさせていただきます。お困りの方がおられましたら、どうぞお気軽にお声かけくださいませ。