移築にともなう地蔵堂の建立工事。富山県立山町にて
富山市を中心にお仕事をさせていただいております、金山石材店の金山です。富山県立山町にて、移築にともなう地蔵堂の建立工事をさせていただきましたので、ご紹介いたします。
富山県立山町泊新 地蔵堂の移築にともなう建立 AG98
以前永代供養の地蔵堂を作らせていただいたお寺様からのご紹介で、立山町の個人様宅の敷地にある「地蔵堂を移築したい」とご相談いただきました。立山町は、当社のある富山市とは常願寺川という川を挟んだ位置関係で、今回の現場は当社から車で15分ほどのところでした。
こちらがご相談のお地蔵様です。お客様のお宅のお庭にあり、ちょうど駐車場からお庭に入るあたりに安置されていました。お客様はお庭の木が大きくなって日当たりもあまり良くない状態になってきたことが気になっておられて、日当たりも良く、もっと皆さんに見てもらえるような場所にお引越しをしたいとご希望でした。地蔵堂自体も古くなってきたので、この機に新しく作り変えて移設することになりました。
こちらは移築する場所です。お写真でいうと、手前が駐車場で向かって左手にお庭があり、そこに今地蔵堂があります。新しい場所は日当たりも良い、開けた場所でした。お客様とお話して、大体の設置位置を決めました。
工事開始です。指定いただいた場所が傾斜していたので、土留めを含めた地蔵堂の台座部分等の施工するため、現地で型枠を組みました。手前の鉄筋を組んでいる場所は、参道になる部分です。
参道部分にコンクリートを打ち、表面をならしています。奥の鉄筋の場所は、お地蔵様本体を安置する場所です。
奥もコンクリートを打って、あとはしっかり固まるのを待ちます。難易度の高い複雑な形状の木枠なので、あまりこうした工事を見慣れない方には分かりにくいかもしれませんが・・・
コンクリートが固まるとこんな形状になります。奥の台にお地蔵様を安置し、その手前の一段下がったところには花立を設置する予定です。お花でお地蔵様が隠れてしまわないようにそれぞれ高さを調節した土台になっています。
参道部分に石貼りを行いました。表面はジェットバーナー仕上げの滑りにくい加工です。
花立を設置する台座部分に石貼りをしました。工事の日はとても暑い日だったので、テントを張って作業しました。
お堂の基礎台座部分に、アンカーボルトで固定するための穴を開けました。この上に、これから御影石の地蔵堂を設置していきます。
地蔵堂の壁石の底面にピンを取り付けて、基礎の穴に差し込んで設置します。同様に、左側・後方の壁石も設置します。
壁石を設置して、その上に屋根を設置するところです。壁と屋根もこのようにピンで固定します。あわせて、耐震ボンドもたっぷり使用しています。
花立等を設置して、お地蔵様を安置する地蔵堂が完成しました!
花立と線香蝋燭立は、ご希望で一体型のものをご用意しました。壁石や屋根は総御影石造りです。あとはこちらにお地蔵様がお引越しして来られたら移築完了です。
お地蔵様のお引越し当日です。お寺様にもお越しいただいて、お経を上げていただく準備が整いました。雨が降っていましたので、テントを設置させていただきました。
魂入れのようすです。ご家族様とご一緒に手を合わせさせていただきました。
魂入れの終わったお地蔵様です。お客様には、「きれいなものを作ってもらって、お地蔵さんも喜んでいらっしゃると思います」とおっしゃっていただけました。今回のポイントは、難易度は高いものの、通常とは違った周りの傾斜にあわせた基礎を施工し、景観も考慮してご希望を叶えることができた点です。考えうる限りの長い年月、しっかり長持ちするものを作らせていただいておりますので、これからも末永くこちらで見守って下さると思います。
お引越し完了後、古いコンクリート造りの地蔵堂を撤去する工事もさせていただきました。印の場所が以前安置されていた場所です。
今回のように個人様で祀られているケースは珍しいですが、富山では、県内全域にわたってお地蔵様を大切にされている地域が多く、お地蔵様が安置されている地蔵堂も木造や石造りなど、様々なものがあります。当社では、石造りの地蔵堂の設置はこれまでにも度々ご依頼いただいていますが、お客様のご希望や設置環境などにあわせてひとつひとつ設計・デザインしているため、雰囲気が似ていても全く同じというものはひとつとしてありません。現地でお客様とお話して、その場所やご希望に即したものをご提案しておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお話をお聞かせください^^
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